Bird Landの感想

京都で一回見た後と久留米で見た後に思ったことや考えたことを箇条書きにまとめたものなので矛盾してる点とかもあると思う。上田くんの演技の感想というよりは物語の感想や考察みたいなものになってしまっているしがっつりネタバレもしているので興味のある方はどうぞ。

 

ポールの大人の虚勢ばかりな一面と少年のような罪悪感に押し潰されてる感じの演じ分けがすごかった。

 


多分、ポールは本来すごく他人に対して敏感で気をつかう優しいタイプなんだろうなと思う。だからこんだけ壊れていったのかなと(鈍感に生きていた方が楽なこともきにしてしまうタイプのように感じる)

 


壊れている時と虚勢を張ってる時の声が全く違ってえぐかった

 


見る方も何か吸い取られていく感じがする。

 


これ、最後、死んだとも生きてるとも取れる「俺は生きる」と言っているので生きているとも取れるしただ、最後マーニー(この作品における死の象徴)と話しているということと台から降りて終わっているところ自殺したとも取れると思った。ただ死んだ説だとすると私の最後のマーニーは幻想では?が崩れてしまう

 


最後に出てくるマーニーは多分、ポールの欲しい受け答えをしてくれる子って感じがするんだよな。自分の望む幻想しか彼を助けてくれるものはないって感じなんだろう

 


マーニーが馬鹿なんじゃないかって終始思ってしまって集中できない。あの会話のところからしてマーニーもそこまで嫌がってないんだろうなとは思うし(そもそも親友の彼女を誘ったポールが悪いけども)これがジョニーにバレたらどうなるかなんて容易に想像つくのではと思う。それで自殺をしてしまうくらいならはじめから嫌がればよかったのでは?

出てきた時にバカっぽい喋り方するなとは思ったんだよな…でもただそれも可愛かったのも事実

 


軽く腐も齧ってたので言うけどこれ多分、ジョニーとポールで一本書けるぞ。誰か頼む

 


ポールとジョニーが地元のことを話すシーンでポールは何も地元のことを知らないけどジョニーは色々把握してて、多分あの時点で既にポールにとってはジョニーしかいないけどジョニーにとってはポール以外にもいるって言う暗示のような気がしてもうその時点で切ない

 


ジェニーとマーニーの演じ分けすごかったな。マーニーはちょっとバカな箱入りの女の子って感じがするのに対してジェニーはちゃんと理知的な年相応の喋り方をしてる感じがした。

 


誰かポールを休ませて病院に連れていってくれ。あれはどう考えても病気だと思う

 


なんであんなにマーニーの死に怯えるのかと考えたら、確かに人を1人自分のせいで殺してしまったという罪悪感もあるんだろうなとも思うけど、マーニーを自分の欲求のために消費し破滅させてしまったことが自分にも当てはまるということを悟り自分も破滅の運命しかないんじゃないかって言う意味でマーニーの死を異常に怖がっていたのかなとも思う。

 


ポールは頭がいいタイプなんだろうと思う。そんで色々考えてこんでしまうタイプなのかなと。ある意味ですごく人間臭いキャラクターだなと思う

 


星に願いをの歌詞を考えてたらポールにとっての幸せやお願いはきっとあのジェニーと話してたあの幸せな時間がずっと続いて欲しかったんだろうなって思ってもうしんどい。でもその世界を壊してしまったのもポールなんだよな…

 


世間と周りとのギャップにやられていったんだろうな。世間的にはめちゃくちゃ評価されてるし数字で見たら昔なんかとは比べものにならないくらい彼は評価されてる。でも誰もポール本人を見てくれてはいない。しかし数字も出してるし自身の生活も豊かになっていると思って強引に納得しようとしているところに、アマリサが昔の方が良かったと言ってきたからこそ興味を持ったし喧嘩もふっかけてたのかなと思う。

 


最後、ジョニーとジェニーにポールが執着してた理由は多分、ポールをポールとして見てくれてたのがあの2人のみだったってことなんだろう。だから最後に離れていくディヴィット以上にジョニーが離れていったことが辛かったし喪失感が凄かったんだろうと思う。だからもう無理だよと言われても子どもみたいにうめいたりするしかなかったんだろう。

 


個人的にはこの話で1番可哀想なのはジョニーなのかなと思う。多分ポールの音楽やポールという人が好きだったからこそ自分だってしんどいのにポールのフォローに回ってたりポールと最後まで一緒にいたんだろうなと思う。だからこそマーニーの死の真相を知った時に悲しかったし、無理だなって思ってしまったんだと思う。だから彼はずっとポールと決別するって決めてから他の人と比べた時に精々したとか怒りとかではなくただ悲しそうだったのではないかと思う。

 


割と冷たいことを言うとポールの自業自得な物語って感じはある。でもああなる前にちゃんと休んでカウンセリングでもしたらあんなに失わなくても済んだのになとも思う。

 


ポールはひたすら過去に戻りたかったんじゃないか。第二幕とか地元に帰るって言うのもあると思うけどでもずっと昔の思い出話をジョニーにしてたイメージ。昔の純粋に音楽を楽しんでた頃に戻りたかったんだろう。だから金の無心を親にされた時、悲しかったんじゃないかと思う。父親ですら自分のことを世界的に有名なロックシンガーとして見てくれなかったことに対してもう昔に戻ることはできないとまざまざと見せつけられたような気がしたんだろう。父親はそんなにポールのこと見放してるか?って思ったけど多分、そのせいでポールにとっては見捨てられたって思ったんだろうな

 

千秋楽のカテコで自分は見られるのが好き!って上田くんが言ってくれたのめっちゃ安心できた。なんか推してていいんだって思えたしポールと上田くんは別の人間であるというのが再確認できた。

 

ふと思ったのがジョニーもポールと同じように壊れていってもおかしくないと思うけどずっとまともだったのは壊れていくポールがいたからってのもあるのかもしれない。俺はしっかりしなきゃみたいな。だからマーニーの死の真相を知った時にプツッと何かが切れてしまったんだろう。だからあんなことをしたのかなと思う

 

結局のところ、分岐点は山のようにあったしその都度ポールは最悪な選択していった。それは病気のせいかもしれないし本人の元々の性格もあるのかもしれない。少なくとも彼はカリスマ性ととんでもない才能と幸運と持っていながらそれに耐えられるだけの精神力がない可哀想な人なんだろう。

 

ファンの在り方も考えさせられた。ポールは見て欲しくないところまで見ようとしてくるファンに耐えられなかったんだろう。3次元の人を推すと言うことは彼らが見せたい部分をしかと見届けるしかないんだなと思う。なんか悶々としてしまうのでこの辺でやめる。

これからのポール、ジョニーの人生に幸あらんことを願うのみである。